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【100年の森 明治神宮物語】宝物(中) 「質素さ」に感激した来館者 - 産経ニュース

宝物殿で展示されていた樅の箪笥。戦役報告などの保存のため明治天皇が命じて作らせたという(明治神宮提供)
宝物殿で展示されていた樅の箪笥。戦役報告などの保存のため明治天皇が命じて作らせたという(明治神宮提供)
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 「これは実際、明治天皇様のお使い遊ばしたものに相違ありませんか」

 大正11年3月初旬、明治神宮宝物殿を訪れた50歳前後の紳士が、係員にこう尋ねた。男性は展示されていた樅(もみ)の箪笥(たんす)の前に立って身動きもせず、十数分も凝視していた。

 男性いわく、先日友人が宝物を拝観して帰り、万事にわたって非常に質素だったことを例を挙げて説明してくれた。自分も質素であることは新聞などで知っていたが、天皇陛下が粗末な樅の箪笥をご使用になったとはどうしても信じられず、「君の聞き違い、見誤りだろう」と議論を闘わせた。そして自分の目で確認するため群馬から上京したという。

 これは「明治神宮に関する美談集」(明治神宮社務所編、大正13年)にあるエピソードだ。係員が展示品について「一つとしてご使用なさらぬものはありません」と説明すると、男性は「先帝陛下は実に実に偉大なお方でした」と涙を流した。

 このほかにも、感激して手紙を送ってきた横浜商業学校の学生の話など、展示品の質素さが拝観者の胸を打った逸話が複数残っている。

「嘘ではなかった」と

 明治神宮の鎮座から遅れること1年、宝物殿は大正10年11月2日に一般公開された。初日は7490人、例祭と重なった翌3日は1万2200人余りが明治天皇ゆかりの品々(御物(ぎょぶつ))を見ようと行列を作った。ちなみに妃の昭憲皇太后の御物が追加されたのは翌年のことだ。

 先の「美談」の背景に、明治時代になって発達した新聞雑誌などのマスメディアが作った明治天皇のイメージがあることを指摘するのは、「明治聖徳論の研究-明治神宮の神学-」の著書がある佐藤一伯(かずのり)さん(51)=岩手県一関市の御嶽山(おんたけさん)御嶽神明社宮司=だ。「江戸時代とは違い、メディアの力によって、明治天皇がどんな方か、全国的かつ同時代的に伝わりやすかった」と話す。

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November 20, 2020 at 07:00AM
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