基本｜スーツとセットアップの違いとは？ - 朝日新聞社

ビジネスマンのユニフォームであり、たくさんの美学が詰まったスーツ。最近ではカジュアルなシーンでも「セットアップ」として共地のジャケットとボトムスを着用している人を多く見かけます。「スーツ」と「セットアップ」、両者の違いはどこにあるのでしょうか？比較をしながら、その魅力を解き明かしていきます。

スーツは上下セットでの販売でコーディネートしやすい

写真・図版 — スーツ￥79,000、シャツ￥13,000、タイ￥11,000／すべてニューヨーカー（ダイドーフォワード 0120-17-0599）、バッグ￥59,000／ポール・スチュアート（SANYO SHOKAI カスタマーサポート 0120-340-460）、シューズ￥96,000／三陽山長（三陽山長日本橋髙島屋S.C.店 03-6281-9857）、チーフ私物

「スーツ」は基本的にジャケットとスラックスのセットで販売されています。フォーマルに向けて仕立てられたスーツは、グローバルで通じる様式美であると同時に他者への配慮の表れでもあります。だからこそ、丁寧に織られた上質な生地のものを着たいところ。昔から変わらぬ伝統的な仕立ての方法は守りながらも、生地やシルエットにはトレンドがあり、ユニフォームとして日々進化しているのです。

セットアップは上下別売りでコーディネートの幅が広い

上下セットで販売されるスーツに対して、「セットアップ」は共地のジャケットとパンツが別々に売られています。つまり、自分に合ったサイズを選ぶことができて、それぞれアイテム単体での使用も可能なわけです。スーツに比べるとジャケットは丈が短く、パンツはチノやイージータイプのアイテムも多く、ややカジュアルな印象。生地は多様性に富んでいて、コーディネートの幅が広いところが魅力です。

セットアップは、ビジネスシーンはもちろんカジュアルな場面でも役立つ

働き方改革の浸透に伴って服装の自由度が増したいまこそ、セットアップを活用したいところ。スーツに見立ててタイドアップした着こなしで臨むのはもちろんのこと、ノータイでリラックスしたスタイルに挑戦したり、ポロシャツやスニーカーなどを合わせてスポーティにコーディネートを楽しむのもアリ。パーティーなどのシーンにおいても、ニットTシャツなどを合わせてカジュアルに着こなすなど、セットアップはさまざまな場面で活躍してくれます。

セットアップといえども着こなしの基本ルールは同じ

いくら着こなしの自由度が高くなったとはいえ、ジャケットを着る際のマナーに変化はありません。自分の身体に合ったサイズを着るのは大前提。特に気をつけたいのは着丈、袖丈、裾丈です。着丈はヒップがきちんと隠れるサイズで、袖丈はインナーに着たシャツの袖が 1.5cm ほどのぞく長さが望ましく、そして裾丈も長すぎず短すぎない位置に設定すること。これらを守ることによって、本来の様式美が崩れずにキープできます。

まとめ

スーツと違ってさまざまな着こなしをアレンジできるセットアップは、肩肘張らずにジャケットスタイルを楽しめる気軽さに魅力があります。とはいえ、最低限守るべきマナーもきちんと意識することが必要。こうしたジャケットスタイルの真髄は、マナーを意識しながらいかに自己表現をするか、というところにあるように思います。キリッと引き締まったスーツもいいですが、たまにはセットアップを利用して、普段とは違う着こなしを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

Photograph: Osami Watanabe
Styling: Masayuki Sakurai, Akihiro Mizumoto
Hair & Make-up: Masayuki(The VOICE)

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May 21, 2020 at 11:20AM
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