【短期連載】FAは誰を幸せにするのか?(2)
コロナ禍で始まった2020年シーズンが終わり、パンデミックの猛威に包まれたままストーブリーグに突入した。
日本以上にその影響が深刻なアメリカのメジャーリーグ(MLB)では、新型コロナウイルスによる損失は3000億円以上と言われる。経営的に大打撃を受けた各球団がこのオフにどう動くか、極めて読みにくい。
さらに、近年のMLBでは32、33歳をすぎた選手はピークをすぎたとされ、新たな契約を結びにくくなっている。海の向こうを目指す日本人選手たちはこうした"逆風"に負けず、今オフの移籍をかなえられるだろうか。
「私は逆に"あり"だと思います」
そう語るのは、MLB公認代理人で、米国オクタゴン社の野球部門環太平洋部長・長谷川嘉宣(よしのり)氏だ。元巨人で現カーディナルスのマイルズ・マイコラスや、西武のザック・ニールらを担当する同氏が、メジャーのトレンドを踏まえて説明する。
「これまでメジャーの年俸はバブル的に跳ね上がってきました。選手やエージェントは前例を越えようと思い、以前と同じくらいか、それ以上の契約や年数の長さを求めます。そうした条件にトライできる日本人選手もいる一方、メジャーがこういう状況だからこそ、『もっと割安な年俸で、2、3年契約でもいい』という条件なら意外とポジションがあると思います」
長谷川氏が言う例は、すでに増え始めている。たとえば、昨年オフにポスティングシステムで巨人からブルージェイズに移籍した右腕投手の山口俊だ。2年635万ドル(約6億9900万円。レートは当時、以下同)の契約を結び、127万ドル(約1億4000万円)の譲渡金が巨人に支払われた。
2020年のMLB平均年俸は405万1490ドル(約4億4300万円)。山口は一定以上の実力を備えるうえ、メジャーからすれば"割安"なのだ。
今オフ、海を渡る可能性があるのは4選手。澤村拓一(ロッテ)が海外FA、菅野智之(巨人)、有原航平、西川遥輝(ともに日本ハム)はポスティングでの移籍を目指している。
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December 11, 2020 at 09:10AM
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32歳、澤村拓一が意外な人気のワケ。コロナ禍で気になる日本人のMLB移籍 - sportiva.shueisha
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