少女漫画家 手描き原画 金沢出身・波津さんの１０年回顧 - 中日新聞

波津彬子さんの原画が並ぶ会場＝金沢市広坂で

近代文学館

　金沢市の少女漫画家、波津彬子（はつあきこ）さんの原画を紹介する「四季彩彩　少女漫画家波津彬子の十年」が、金沢市広坂の石川近代文学館で開かれている。来年に波津さんが画業四十周年を迎えるのに合わせ、四季ごとに展示品を入れ替えながら来年三月十四日まで開く。（阿部竹虎）

　同市出身の波津さんは高校卒業後、姉で少女漫画家の花郁（かい）悠紀子さんのアシスタントを経て一九八一年、雑誌にデビュー作が掲載された。画業三十周年企画展も同館で開かれており、今回は二〇一〇年以降の作品を中心に並べる。

　開催中の春季展示では、十九世紀英国の上流階級を舞台にした「お嬢様のお気に入り」「レディシノワズリ」の二作品の原画など七十八点を紹介。単行本の表紙に採用されたカラー画や本編のモノクロ画をそろえた。華やかな雰囲気でバラなどの花も描かれている点に注目し、選んだ。春季展示は六月二十八日まで。

　七月十一日からの夏季は怪談をテーマにした作品から、九月十九日からの秋季は骨董（こっとう）品店を舞台にした代表作「雨柳堂夢咄（うりゅうどうゆめばなし）」から、十二月十二日からの冬季はアンティーク着物をテーマにした「ふるぎぬや紋様帳」から、それぞれ原画を展示する。学芸員の當摩（とうま）英理子さんは「デジタル技術で描く漫画家が多い中、波津さんの原画には繊細な手描きの魅力がある。漫画が仕上がるまでの舞台裏を見てほしい」と呼び掛けている。

　観覧料は一般三百七十円、大学生二百九十円、高校生以下無料。

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April 06, 2020 at 09:13AM
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